2019年7月15日
地鉄から一気に飛んで長野県の伊那に宿泊。翌日は特に何をする予定もなかった上に天気も悪いのでどうしようか迷っていたのですが、中央西線沿いに点在する木曽森林鉄道の遺構を一度も見に行ったことなかったなということで、木曽森林鉄道保存車巡りへ。
まずは奈良井宿へ。奈良井の保存車はかつて中央西線の線路際の喫茶店?敷地内に置かれていたらしいのですが、5年程前から”道の駅 奈良井木曽の大橋”の傍らに置かれています。
奈良井には奈良井営林署の黒川線という路線が乗り入れていたので、そこの車両なのかなと思いきやそういうわけではなく、王滝営林署管内の車両のようです。
道路からの眺め。ちょっとあんまりな置き方な気もしますが…バラストが新しいのでこれから整備するのかな?と思わせつつこのままの姿で5年以上放置されているようです。
近寄って見てみます。編成は酒井の5トンDL+B型客車+運材台車(積載ナシ)×2。好ましいミキストの編成です。
サビサビで当時のレタリングがどこにあったのか全く分からないですが、現役時代は95号という名前が付いていたようです。
車体外に露出したブレーキ用の空気管が気になります。
リアビュー。側面は鉄道車両っぽさがありますが、リアの引違窓は家の窓かな?と思えるような仕上がり。どういうわけか知りませんが産業用の機関車はこういう仕様が結構多かったみたいですね。現代まで森林鉄道が残っていたら那珂川清流会の保存DLのようにアルミサッシで窓を作るようなスタイルが主流になっていたのかもしれません。
B型客車。木曽森林鉄道のこの手の客車にもいくつか種類があるようで、これは腰板が横に張られている”助六型”。別に縦に張られている”王滝型”というのも存在するようです。
客車とは言え2つの運材台車の上に橋渡しするように木造の小屋を置いてあるようなスタイルなので、所属区ごとに作りやすい方法で内製していたのでしょうか?
気になるレタリング。B型王営は王滝営林署管轄のB型客車、助六No.5は助六所属のNo.5ということなのでしょうか。
近隣の保存車がだいたいどこのものも再塗装されてキレイになっている中で放置が続けられた結果、オリジナル?のレタリングを維持しているのはここくらいなのではないでしょうか?
キレイに塗り直してあげて欲しい反面、このレタリングが消えてしまうのは惜しい気もしますね。
運材台車。被牽引車のベースとして大量に存在していたので、今でも木曽谷に山ほど残存してます。
どれも同じに見えますが、軸受が何種類かあったりと地味に形態差に富んでいます。作業効率化のために現場の判断で進化していった結果でしょうか。
ちなみにこの場所から歩いて奈良井宿の宿場町見学に行けます。一応観光地なのですが、3連休というのに人もまばらで観光地感は薄め。
ただ、メジャーな観光地になると下手に整備してしまって雰囲気が台無しになるケースもあるので、そういう野暮なのをあまり好まない人にはいい場所かなと。
人が多すぎて疲れるなんてこともないので、ゆっくり見て歩いてご飯を食べて、結局奈良井で2時間ほど時間を使ってしまいました。
[2024-01-24追記]
奈良井に置かれていたこの保存車編成は、2023年に王滝村の松原スポーツ公園に移設されているそうです。
コメント
拝復。はじめて、メールを送ります。
かつて、奈良井川上流の駒ヶ岳下という所まで黒川森林鉄道が、走っていたことは、祖父の藤原亀蔵が鉄道を使って、木材🪵を運んでいたことを母から聞いて居ました。
近いうち、路線なき林道を終点迄、祖父を偲びながら辿ってみたいと考えて居ます。